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死にたくなるしょうもない日々が死にたくなるくらいしょうもなくて死ぬほど死にたくない日々/阿部共実(1~2巻【以下続刊】) 特に2巻「8304」と「7759」について①

死にたくなるしょうもない日々が死にたくなるくらいしょうもなくて死ぬほど死にたくな 2 (少年チャンピオン・コミックス・タップ!)

特に2巻の「8304」と「7759」と冠された短編について、感想と内容・タイトルの意味について解釈を。ざっくり「8304」についてと「7759」についてで記事分けます。7759はこちら。

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阿部共実の最新作。私は「空が灰色だから」「ちーちゃんはちょっと足りない」が大好き。この人の描く青春時代の青い失敗、気まずさ、不気味さ、不遇、狂気、絶望は極上。ただ、この「死にたくなる~」の1巻は、そういったダウナーな要素は小さめだった。「死にたくなる」なんて最大に鬱々とした言葉が冠されている割には、「空が~~」等の既存作品にくらべてそのインパクトが小さくなった。それはそれでもとても面白かったのだけれど、やっぱり心えぐる内容を私は期待してしまう。

で、最新の2巻。すごい。心を金属バットでフルスイングされたような短編が二つ。単に鬱々として苦しいだけでなく、色鮮やかさと輝きが加わって、綺麗。正直、もう既存作品を超える衝撃は無いのかなぁと思っていたのですが、また新たな方向からガツンとやられた感じ。「空が~」の後の「ちーちゃん~」ときて、この「8304」と「7759」。この作者はどこまで行くのだろう。

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 「8304」と「7759」のタイトルについて

作品を読んでその内容に打ちのめされるのと同時に、このタイトルの意味と、何でこの2作品が連作のようにされているのか気になってしまう。あまり意味を無理くり解釈するのもナンセンス…と思いつつも色々考える。

理由は後述するが、私は「8304」「7759」の数字は、それぞれの語り手が、その過去を振り返った時点までの「生きた日数」を表しているのではないかと思う。具体的に言うと、「8304」なら8304÷365日で22歳とちょっとのけんちゃんが、「7759」なら7759÷365日で21歳とちょっとの千夏が、それまで生きてきた中での鮮やかな心象風景や、彼らを成す要素たちを振り返っているのではないかな。

(もし答えが明らかになってたら誰か教えてください…はずかしいので…)

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①8304について

持つものと持たざる者…それでもきらめく景色

けんちゃんと松田、二人の中1男子の物語。環境に恵まれない主人公と、恵まれている友人という構図で、「ちーちゃんはちょっとたりない」とちょっと似ている。ただ、「ちーちゃん」では、恵まれない者は徹底的に恵まれない者として描かれていて、そのどうしようもない息苦しさが魅力であったのだが、本作は少しそれとは趣向が異なる。

持たざる者側のけんちゃんには、品性や繊細で豊かな感性が備わっている。持つ者側の松田にも、恵まれていながらうまく振る舞えない苦しさがある。そして、隔たりがありつつも二人がある瞬間は確かに心通わしていたことが描かれている。これらが、作品を切なくて泣きそうなほど綺麗に見せているのだ。

けんちゃんの心象と言葉、ブロックと雨粒

「この灰色の町が青白く染まる」「墨を混ぜたような雨が強くふる」…作中では、その景色やアイテムについて、このような詩的な描写がなされている。これらはみんなけんちゃんの言葉。けんちゃんは、繊細な感性と、豊かな表現力を持ち合わせている。二人のやりとりの間に挟み込まれるこの言葉たちと画面が本当に綺麗。

そして後でわかるのだが、これらの言葉は、正確にはこの「中1のけんちゃん」だけのものではない。未来のけんちゃんが、過去を振り返って、当時に感じた一つ一つの風景を、心の中で再び呼び起こしているのだ。現在過去入り混じる「心象」と、現実の風景とが入り混じった作りになっている。

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阿部共実.死にたくなるしょうもない日々が死にたくなるくらいしょうもなくて死ぬほど死にたくない日々.2巻.第18話「8304」p73より.:けんちゃんの詳細な風景描写の言葉。「ぼくらは」ではなく「ふたりは」灰色の~~と俯瞰した語り。

そして、現実世界のモノではない、何か四角いブロックの世界の描写。これが流石阿部共実といった感じで、不気味さやドラマの劇的さを煽ってくる。人物がしゃべる言葉の吹き出しは、普通、人物に添えられている。が、物語が進みけんちゃんの想いの言葉があふれるにつれ、あたかもこのブロックや、まわりの風景や雨粒達がしゃべっているかのような演出がされる。うまく説明はできないのだけれど、このブロックや、風景、雨粒の一つ一つが、けんちゃんの心象や気持ち一つ一つのよすがのようなのだ。

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阿部共実.死にたくなるしょうもない日々が死にたくなるくらいしょうもなくて死ぬほど死にたくない日々.2巻.第18話「8304」p83より.:電線が、雨粒が、四角い箱が、けんちゃんの心象や気持ちを述べる。独特の世界。

そしてこれらの心象は、すべて松田への想いに繋がる。何も持たない、親にも恵まれず、他に友達もいない中一のけんちゃんにとっては、松田が唯一無二の存在であった。綺麗な思いも、強い劣等感も、全て松田と自分だけの世界を映しだす。未熟な少年らしい狭い世界と切実な青い想いだと思う。

激しい気持ちをぶつけたけんちゃん。松田は、彼を拒絶しない…松田は松田で抱いていた自らの劣等感を吐露する。しかし、彼は、けんちゃんが大好きな本を好きになることができない。そして、二人は手を放す。

「本を返す約束をしよう」「夏にも冬にも遊びに行こう」という呼びかけに返事はなく、全ての答えは雨は上がりの光に押し流されてしまったように、滴を散らしながら二人は笑顔でかけていく。積もった気持ちがキラキラと昇華したよう。明確な救済はない。けれど、本当に美しい。 

最後の言葉は悲しい

ラストの「この本を読むたびにこれだ」「今となればどうでもいいささいな思い出だ」というセリフで、これらの景色を過去として振り返っている存在がいることがわかる。松田かけんちゃんかの二択だけど、まぁけんちゃんと考えるのが自然だろう。情景を宝石のように描写できるのは、松田ではなくけんちゃんのほうなのだ。

そして、この語りの主がけんちゃんだとすると、けんちゃんは未だ松田の本を持っていることになる。二人はこの日を最後に会うことはなかったのかもしれない。

けんちゃんはこれらの思い出を「つまらない」「些細」と言い捨ててしまっている。劣等感を抱いていた過去を気にしなくなるほど強くなったのかもしれない。恵まれない環境を受け入れ、慣れきってスレてしまったのかもしれない。何にせよ、この思い出を切り捨てるセリフを吐いてしまうのは、現実的かもしれないけれど、悲しい。

しかし一方で、彼は本を読むたびにこの時のことを思い出すという。些細といいつつ、忘れることができない。鮮烈に思い出す。苦いのに綺麗な、青春の物語。

蛇足:●5/06/18 13:45

はたしてこの「過去」が何年前のことなのか、いつからの振り返りなのかは判然としない。まぁ、それはあまり重要な部分ではないが…気になったのでちょっと。蛇足。

手掛かりとなるのが松田の携帯。彼の受信したメールの日付は「●5/06/18 13:45」とある。●は、水滴がかかって読み取れない。で、彼の使っているケータイってガラゲーなんですよね。2015年現在の私立中学生に、裕福でハイソな家庭の親が今どきガラゲーを買い与えるかなぁ。松田の友達もわざわざ「メール」をしてきているし。この作者、現代の学生には普通にスマホ持たせてるし、LINEやSMSも使わせているんですよね。けんちゃんも、ケータイを「ご大層な」と形容している。なのでこれは、2015や2025ではなく、2005の話なんでないか。

そしてタイトルの8304。…後述の「7759」がヒロインの21歳の人生を意味すると思ったので、こちらも年齢に直してみたところ22歳。もし、この当時が05年だとすると、彼らはこの時点で中1ということで彼らは満12歳ちょい。そして2015年を現在とすると、彼らは22歳ちょいになっていて8304日という日数と齟齬は無い。22歳の現在のけんちゃんが、10年前を振り返っているんじゃないかな。

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阿部共実.死にたくなるしょうもない日々が死にたくなるくらいしょうもなくて死ぬほど死にたくない日々.2巻.第18話「8304」p78より.:携帯の画面。懐かしのガラケー。一村高くんからのメール。内容は「エロ本貸して」笑

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長いのでいったん分けます。次は7759について。こちら↓

死にたくなるしょうもない日々が死にたくなるくらいしょうもなくて死ぬほど死にたくない日々/阿部共実(1~2巻【以下続刊】) 特に2巻「8304」と「7759」について②

 

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新たに読んだ漫画買った漫画【2015年10月】

よかった順にざっくり並べて。作品名/読んだ巻数/(レーベル)/作者


【完結】

 

【単巻】

 

【続刊アリ】

 

【雑誌、他】

 

【続刊アリ…でもひとまずココまで】

  • その「おこだわり」、俺にもくれよ!!/1/ (モーニングコミックス)/清野とおる
  • 電撃デイジー/1~10/最富キョウスケ
  • 天そぞろ/1/(ビッグコミックス)/あかほり悟, 北崎拓
  • ハード・コア/上/(ビームコミックス)/狩撫 麻礼, いましろ たかし
  • ハナヨメ未満/1~2/(プチキス) (Kissコミックス)/ウラモトユウコ

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花とアリス殺人事件(単巻【完結】)/道満晴明(原作:岩井俊二) 作者と出版社にも良心があった!!ナイスバランスなコミカライズ

花とアリス殺人事件 (ビッグコミックス)

漫画を読んでいると、台詞回しや演出に「すごい!」と拍手したくなるシーンに出逢うことがあるのだけれど、道満作品ではそれが連発されている。もう、この方は普段どんなことを考えて生きているのだろうと感心するくらい、下品で軽薄で機知に富んだ言葉選びと力の抜けたテンション。絵はしゅっとしていてスタイリッシュ。

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道満晴明.ぱら★いぞ.1巻第9話より:もう何も言うまい…これでも全然上品。

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今回読んだのは「花とアリス殺人事件」。岩井俊二の実写映画作品「花とアリス」の前綺譚であるアニメ映画「花とアリス殺人事件」のコミカライズ。

花とアリスは実写もアニメも大好き。透明感があって、常に薄い光に包まれているような雰囲気。女子高生の恋と友情。初冬の空気、夜明けの街。心の機微とその風景がとても綺麗。ストリングスの凛として伸びやかな音楽も作品にすごく合ってる。主演は実写もアニメ版も鈴木杏蒼井優

こんな清らかで透き通った世界が、コミカライズされたというのでさっそく飛びつく。おおっ、だれが描くのかなと思ったら、まさかの道満晴明。えっマジかよ。大丈夫?

 

アニメ「花とアリス殺人事件」

親の離婚で石ノ森学園中学に転校してきた有栖川徹子。彼女が所属することになった3年2組では、一年前に殺人事件があったという…被害者は「ユダ」、そして容疑者は「4人のユダ」。有栖は、たまたま座った席がかつての「ユダ」の席だったことから、図らずもこの事件に振り回され、真相について調べる羽目に。やがて彼女は、殺人事件以来不登校になってしまった荒井花という女子生徒の存在にたどり着く。花曰く「ユダは生きている かもしれない」。そして、有栖と花はユダの生死を確かめる旅に出る…

 「殺人事件」と冠してあるものの、内容はほのぼの。青春の日常と、そこに紛れ込むちょっと非日常的な呪いや噂と秘密。トラブルメーカーの花・巻き込まれ体質の有栖にの二人によって、コロコロ話が転がっていく。全編ロトスコープで描かれていて、実写の岩井映画の雰囲気がそのままある。

hana-alice.jp

私が特にいいなぁと思ったのは、有栖が見知らぬおじいさんと長い散歩をするシークエンス。間抜けな出会いと不思議なテンポの会話。やがてじんわりと表れるおじいさんと有栖の優しさ。いつもの日常とはちょっと違う状況での穏やかなふれあい。素敵。

オカルト要素と不思議なキャラ達と軽妙なギャグ

 で、漫画版。「おじいさんと女子中学生がお散歩」なんて、下ネタをブチ込む余地ありまくりだなぁとか思っていたのですが…。下ネタはほぼほぼ無かった。そして読後感が岩井映画のそれと同じくらい爽やかだった。

アニメをそのままコミカライズしたのではなく、描き手の解釈の元ストーリーが改変されている。最も大きな違いは、アリスと花が「ユダ」を探す旅には出ないこと(なのでおじいさんとの散歩のシーン等もない)。映画ではさらっと触れるだけだった、殺人事件容疑者の「四人のユダ」の謎に迫ることで、事件の真実にたどり着く構成になっている。

こうした学園の呪いや謎解きオカルトな要素って、すごく作者の作風に合っていると思う。かなり非日常的なことが起きているのにさらっと流しちゃったり、トリッキーなキャラがたくさん登場したり。あれよあれよと場面が変わる感じもアニメ版に近いと思った。うまいこと著者の得意とする要素を強調して再構成されてる感じ。

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漫画:道満晴明.原作:岩井俊二.花とアリス殺人事件.第6話より:「4人のユダ」に会いに、奇術部へ来る話。下半身だけ歩いてるって…部活のレベルじゃないぞ。しかも漏らしてるし。こういうの、すっごい道満っぽい。

青春な友情モノもイケるのか

読んでいる最中はアニメとは別物になったなぁという印象だったけど、ラストは存外に爽やかで「花とアリス」らしい雰囲気があった。花の青い悩みと、それを救うアリスとの友情といった、ストーリーの肝となる部分がしっかりそのまま残っていた。というか、アリスが花に手を差し伸べる様子がけっこうストレートに描かれていて少し驚いた。今まで、この作者の作品であまり見なかった感じ。素直な友情展開、素敵。

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漫画:道満晴明.原作:岩井俊二.花とアリス殺人事件.第5話より:花の懐に飛び込むアリス。特に花の表情とかが鈴木杏そっくり。アリスがよんでいる漫画のレーベルが「花とアレ」だったり、色々と小ネタもたくさん。

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もう、本当下ネタだらけだったらどうしよう…とか思って手に取った漫画だったけど、思いのほか青春しててよかった~。ほのぼのとした中に、作者独特のギャグや非日常感がちょいちょい顔をだしててイイ感じ。花とアリスも、道満晴明も好きな私にとっては大変満足なコミカライズでした。

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ちひろ/安田弘之(上下巻【完結】) 何者になるのかは自分が決める、孤高の美しい人

ちひろ 上

 主人公は「ちひろ」という源氏名の風俗嬢。清楚な地味系の佇まいながら、ファッションヘルス「ぷちブル」のNo.1。飄々としていて、自由。天然っぽいかわいさもある。そして、少しの狂気を感じる。そんな彼女と、それを取り巻く人々の日々を描いた作品。

魅力は、奔放なちひろのかっこよさ。壊れているともいえるような複雑な心の内。自由で浮世離れした彼女と、それに対比される俗世の人々の生き方。

 誰かから愛される、社会から認められる…そんな他者からの承認を得るためのレースから、彼女は降りている。自分が認めた自分になる、その有様はとても美しい。一方で、他者との関わりの中で得られる幸せがあることもよく知っている。矛盾したような生き方を続ける彼女はどこへたどり着くのだろう。

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上巻のラストで、ちひろは自発的にぷちブルをやめる。店長の「金と設備それ以外でウチよりいい店はない」という言葉の通り、その労働環境は良好。スタッフ同士の人間関係も円滑で、お客さんも良い人が多い。そんな場所をちひろは自ら手放す。

普通の人は、手に入れた幸せな場所を手放さないで大切に抱え込む。でもちひろは大切なものだからこそ、それを捨ててしまうようだ。

「 風俗嬢である」ことが全て

ちひろはもともと普通のOL、吉澤綾だった。愛想笑いをし、セクハラに耐え、陰口に泣く。世間に馴染むため、社会で居場所をつくるため、親の前ですら無理をしていた。

その後、「風俗嬢ちひろ」となった彼女。「吉澤綾」を手放した彼女は、もはや吉澤綾の居場所をつくるために、自分を殺す必要はなくなった。彼女は本来の自分であることを辞め、社会や世間といったものから離れることで、より自由に自分らしく振る舞える場所を手に入れた。

ちひろは、風俗嬢である。それ以外の何者でもない。出身や、親兄弟、友人、形成された価値観…そういった社会との関わりや背景は、すべて綾の方に置いてきた。ちひろのアイデンティティーは、風俗嬢であるということだけ。

だから、ちひろにとっては「風俗嬢であることを実現すること」こそが、風俗嬢をする目的。金や、プライドや、心の安寧のためにではない。だから、例えば同僚の風俗嬢達が、嫉妬心を燃やして男を取り合ったとしても、ちひろはそこに積極的には参加しない。「人」である他の風俗嬢や客は心で動くけれど、「風俗嬢ちひろ」は心で動かない。どんな客相手でも、決して風俗嬢以外の自分を見せることはない。この上ないプロとして振る舞えるのだ。

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安田弘之.ちひろ.上巻第2話「枯れない花」より.:大谷さん(客)の心は花咲けば枯れることもあるけれど、ちひろはちがう。「風俗嬢である」ほかの何物でもない。いつでも咲いているように見せることができる。

幸せのために幸せと距離を取る 

普通の人が持つような周囲との関係性を捨てた彼女は、それはそれは自由で飄々として魅力的だった。それ故に、彼女は彼女の予想以上に周囲に受け入れられることとなる。そして、ぷちブルは「ただ風俗嬢としてのちひろを実現する」ことを超えて、いつか捨ててきた周囲との関係性や、そこで生じる心の動きを与えるような、あたたかな場所になってしまった。

「風俗嬢ちひろ」に徹して生きているからといって、当然、彼女に心がなくなったわけではない。彼女には、ぷちブルにいる自分の状況を幸せに思う気持ちがある。そして、それを失くした時のことを想像して、喜ぶ。「失くしたことで心痛める自分」に喜んでいるのだ。痛める心があること、手放すのが惜しくてしょうがなるほどの大切なものを手に入れたことが、たまらなく嬉しい。

手に入れたものを手放すことで、自分が大切なものを手に入れられたことを確認して喜ぶ。そして、そのようにして何かを得ることができる自由な「ちひろ」であり続けるために、「ちひろ」をこえて「自分」に何かを与えてくれる場所を、切り離さなければいけなかった。

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安田弘之.ちひろ.上巻第8話「Gotta Get Away」より.:「幸せな時に限って思いつく 困った悪戯」「大切なものを失くす痛みで 私の心は息を吹き返す」。ちひろは泣いている。自分を傷つける矛盾したかのような決断をするちひろの姿と、満開の桜の風景。綺麗で切なく、少し恐ろしい。

何者になるかは自分が決める、そしていつか本物になる

  ちひろはかっこいい。普通の人ができないことをやる。自由で、堂々としている。「ちひろ」という偽の姿で進み続けることで、吉澤綾が成しえなかった「自分らしい生き方」を手に入れることができる。こうなると、もう綾とちひろのどちらが本当の自分なのかなんてわからない。そして彼女は「ちひろ」である方を選んだ。

この「ちひろ」の続編の「ちひろさん」では、彼女は風俗嬢をやめて弁当屋として働いている。「ちひろ」の連載は2001年、「ちひろさん」は2014年。10年以上の時を超えてきたわけだけれど、その姿は相変わらず飄々としていてホッとする。

そして彼女は、風俗嬢であったことも特に隠さず周囲に語っている。「○○出身です」というのと同じノリで、「風俗嬢でした」と告げる。吉澤綾であることは捨てた彼女。でも、「風俗嬢ちひろ」は、彼女にとって肯定されたバックグラウンドとなった。ちひろは、ちひろとしての人生を歩み続けている。

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安田弘之.ちひろ.下巻第13話「千尋の海」より.:「こうやってドーナツの中を泳いでいれば 海を手に入れることができるんだなぁって」「永久に前に進み続けて 結局どこへもたどりつかないで死んでいくなんて ただのアホですよね アホはいいですよ アホは」嘘の海の中でいきいきと泳ぐ色々な種類の魚を、客の男や風俗嬢と重ねる描写。すごい。この13話はこのページの他もずっと黒塗りの背景。水族館の窓のよう。

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軽妙なギャグがベースとなって話が進むなか、ちひろの核心を描いた象徴的なセリフやモチーフが差し込まれる。風景や心象の描写は、綺麗でどこか暗い。笑えるギャグシーンも多いのに、読後は静かな余韻が残る。

自分らしくあること、他者から認められること…そんな命題に対して一つの答えを選んだちひろ。飄々としていつでも自分らしくあれる彼女の在り方は、憧れる気持ちもありつつ簡単にはまねできないと思う。人々がしがみついているモノを必要としない、世の中の色々な「こうあるべき」を拒絶した人。孤高のヒーローのようでもあり、その強さはある意味壊れているようでもある。美しく、恐ろしい女性。

 

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ぷらせぼくらぶ/奥田亜紀子(単巻【完結】) 繊細で鮮やかなきらめきと残酷なキャラ設定

ぷらせぼくらぶ (IKKI COMIX)

すぐ隣の、「あの子」の世界は「あっち」側。 自分のしらないみんなのじかん。できごと。 岡ちゃんは思う。「私と違ってみんなは色んな場所に行けるんだ」

奥田亜紀子.ぷらせぼくらぶ.その4「さざなみ先輩」より.

学校というコミュニティの中には明らかに「階層」がある。容姿が良くてイケイケの人。デビューに成功した人。派手さはないけどそれなりに馴染む人。自分の世界にこもる人。冴えない人。いじられる人。いじめられる人。この作品は、主にその階層の「下の方」の人々をメインに、日々の様子と揺れる心情を描いたもの。

内面の描写が劇的

学校の中ではモブキャラ扱いの彼らでも、当然、その内側には色々な気持ちを秘めている。不格好ながら少女漫画のような「運命」を信じていたり、自分のおかれている境遇にうんざりしていたり…そして、その心情の描き方がとてもきれい。通常は学校生活の様子が至って現実的に描写されているのだけれど、人物の気持ちにグッと近づいたとき、比喩的抽象的なコマがバンと差し込まれる。学校の中での立ち位置は冴えないものであっても、その内面は彩豊かなのだ。この心情の描き方がこの漫画の魅力の一つ。

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奥田亜紀子.ぷらせぼくらぶ.その3「放課後の友達」より.:イケてない武庫川は、イケてるヤツらに都合のいいように扱われる。笑って流すが、内面は静かに自分を殺して静かに絶望。息をのむような劇的で的確な描写…

これでもかと描かれる「隔たり」

この作品のメインの主人公は女子中学生の「岡ちゃん」。容姿も悪く、空気も読めず、冴えない。でもぼっちというわけではなく、田山という友人がいる。そして、残酷なのがこの田山が岡ちゃんより少し上の存在であること。田山も冴えないタイプなのだけれど、次第に岡ちゃんとの差が明らかになっていく。田山には岡ちゃん以外の友達もいる、クラスの男子とも話せる、冴えないながらも彼氏ができる。そして、摩擦や消耗は、異なる階層の人間同士の間で発生しやすい。田山と岡ちゃんもなんかズレてしまう。そうした失敗の様子もこの作品の魅力の一つなのだけれど、苦しい。

そもそも、キャラの外形からしてもう隔たりが明らか。田辺は普通の頭身なのに対し、岡ちゃんは低頭身でデフォルメされたような描き方。あともう一人、土屋という男子も出てくるのだけれども、彼も同じ描かれ方。この二人以外は、何か不細工な特徴づけがされていたとしても、あくまで普通の範疇の見た目。でも、この二人は違う。明らかに異質で、他のキャラと並ぶと変。「この2人は明らかに皆とは違う、輪に入れない」と言っているようで、結構エグいビジュアル設定だと思う。

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奥田亜紀子.ぷらせぼくらぶ.その1「僕の望み」より.:田山と小さな岡ちゃん。/奥山亜紀子.ぷらせぼくらぶ.その3「放課後の友達」より.:小さな土屋と武庫川。岡ちゃんと土屋はギャグ描写等でこういう頭身になっているのではなく、常にこの状態。

岡ちゃんも悪いあたりさらに苦しい

岡ちゃんは、うまく人付き合いができない。気の利いた言葉選びができない。その場その場で相手の気持ちを汲み取った行動もできない。そして、それは時に「不器用」の域を超えて「無神経」として他人に不快感を与える。「周りが岡ちゃんを迫害しているからいけない」という構図ではない。「うまくできない岡ちゃんがいけない」のだ。

岡ちゃんや土屋が人とうまく付き合えない根本の原因には、容姿が良い悪いとか、ノリがいい悪いとか、そうしたロジカルじゃない雰囲気が絶対的な価値を持つ世界の中で、色々な機会から締め出されてきた背景があると思う。これらは「岡ちゃんのせいではない」ことだけれど…悲しいかな、それが今この時点で岡ちゃんが無神経な行動をとったことに対する情状酌量の要素にはならない。岡ちゃんだって、自分の振舞がいけないのはわかっている。でもうまくできない。苦しい…

 隔たりがあっても繋がる瞬間

「摩擦や消耗は、異なる階層の人間同士の間で発生しやすい。」とか暗いことを書いたけれど、生まれるのは負の感情だけではない。嫌になるようなことの方が多くなるかもしれないけれど、そうじゃないことだってある。思わぬ人が声をかけてくれたり、こちらに気づいてくれたり、心を寄せてくれたり。一瞬のことかもしれないけれど、それは何か太陽から強い光を浴びたような、優しくきらめいた瞬間になる。そういう情景がこの作品には描かれている。

 うまくいかない、でも光があたっていた瞬間も確実にあった。そういうきらきらした瞬間を集めて、成長していく。嬉しいような悲しいような、そんなもどかしい青春のお話。

 

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新たに読んだ漫画買った漫画【2015年9月】

よかった順にざっくり並べて。作品名/読んだ巻数/(レーベル)/作者

 

【完結】

 

【単巻】

 

【続刊アリ】


【雑誌、他】

  • ヒバナ 2015年10/10号

 

【続刊アリ…でもひとまずココまで】

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漫画アニメのオールタイムベスト

漫画アニメ等で好きな作品、順不同。記事で触れたものは色付きリンク付き。

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★★★オールタイムベスト★★★

漫画

レイリ:室井大資岩明均 / この世界の片隅に:こうの史代 / 夕凪の街 桜の国:こうの史代 / 東京命日:島田虎之介 / ちひろ:安田弘之 / リトル・フォレスト:五十嵐大介  / 魔女:五十嵐大介 / リバーズエッジ:岡崎京子 / 夜、海へ還るバス:森下裕美 / 船を建てる:鈴木志保 / らんま1/2:高橋留美子 / チェンソーマン:藤本タツキ / 火の鳥:手塚治虫 /  自虐の詩:業田良家 / 絶対安全剃刀:高野文子 / 赤い雪勝又進作品集:勝又進 / WetMoon:カネコアツシ / 茄子:黒田硫黄 / モディリアーニにお願い:相澤いくえ /銀河の死なない子供たちへ:施川ユウキ / 大奥:よしながふみ / 女の園の星:和山やま / 

封神演義:藤崎竜1巻2巻3巻、)/ シュトヘル:伊藤悠 / 森山中教習所:真造圭伍 おやすみプンプン:浅野いにお あさひなぐ:こざき亜衣 /

砂時計:芦原妃名子 / シックスハーフ:池谷理香子 / 笑う大天使:川原泉7SEEDS:田村由美 / トーチソング・エコロジー:いくえみ綾 / PradiseKiss:矢沢あい /  チャンネルはそのまま!:佐々木倫子 / のだめカンタービレ:二ノ宮知子 /  半神:萩尾望都 /  天才柳沢教授の生活:山下和美 / マリーマリーマリー:勝田文青い花:志村貴子 清々と:谷川史子 燕京伶人抄:皇なつき / シュガーはお年頃:二宮ひかる / 1122:渡辺ペコプリンセスメゾン:池辺葵 / そこをなんとか:麻生みこと / 先生の白い嘘:鳥飼茜 / 海街diary:吉田秋生 / 水は海へ向かって流れる:田島列島

はこにわ虫:近藤聡乃 / 虫けら様:秋山亜由子 / こんちゅう稼業:秋山亜由子 / 虫と歌:市川春子 / 向こう町ガール八景:衿沢世衣子 / オトノハコ:岩岡ヒサエ / 少年少女:福島聡 / 群青学舎:入江亜季 / チキタGUGU:TONO / ないしょの話:山本ルンルン/  マルスのキス:岸虎次郎 / 

アニメ

妄想代理人 / パプリカ / 輪るピングドラム / モノノ怪 / 交響詩篇エウレカセブン / カイバ / ケモノヅメ / serial experiments lain / ファンタジックチルドレン / 精霊の守り人 / もののけ姫 / 無限のリヴァイアス / ラーゼフォン / ノエイン ~もうひとりの君へ~ / 老人Z / 

その他

 FF8 / FF9 / ICO / ワンダと巨像 / 十二国記 / 1Q84 /

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★★とても好き★★

漫画

SLAM DANK:井上雄彦 / ヒカルの碁:ほったゆみ小畑健アイシールド21:稲垣理一郎村田雄介 / 暗殺教室:松井優征 / 鬼滅の刃:吾峠呼世晴 / アイアムアヒーロー:花沢健吾 / ご近所物語:矢沢あい竹光侍:松本大洋 /  Sunny:松本大洋 / へルタースケルター:岡崎京子DEATHNOTE:大場つぐみ小畑健ハチミツとクローバー:羽海野チカ / 動物のお医者さん:佐々木倫子あたしンち:けらえいこ /ファイアパンチ:藤本タツキ鋼の錬金術師:荒川弘 / 花に染む:くらもちふさこ / ベイビィ★LOVE:椎名あゆみ / こどものおもちゃ:小花美穂 / 毎日かあさん: 西原理恵子 / 失恋ショコラティエ:水城せとな / スピリットサークル:水上悟志 / 進撃の巨人:諌山創 / 銀の匙:荒川弘イグアナの娘:萩尾望都 / BEASTERS:板垣巴留 / 姫様”拷問”の時間です:春原ロビンソン・ひらけい / 金剛寺さんは面倒くさい:とよ田みのる / お迎えにあがりました。~国土交通省国土政策局幽冥推進課:竹林七草・桜井みわ・雛川まつり / 青のフラッグ:KAITO / はじめアルゴリズム:三原和人 / テンジュの国:泉一聞 / 

不思議な少年:山下和美 / HELLSING: 平野耕太皇国の守護者:伊藤悠 / お茶をにごす。:西森博之 / 愛しのアイリーン:新井英樹 / みどりの星:真造圭伍 / ノラと雑草:真造圭伍 / ぼくらのフンカ祭:真造圭伍 / 大きい犬:スケラッコ / うちのクラスの女子がヤバい:衿沢世衣子 / 僕たちがやりました:金城宗幸荒木光 / 満月エンドロール:野村宗弘  僕は麻里のなか:押見修造 / ハピネス:押見修造 / 惡の華:押見修造 / 100万円の女たち:青野春秋 / ケンガイ:大瑛ユキオ / それでも町は廻っている:石黒正数  / 辺獄のシュヴェスタ:竹良実  /ザ・ファブル:南勝久(第1部) / Sunny:松本大洋 / ランド:山下和美 / 海街diary:吉田秋生 / 可愛そうにね、元気くん :古宮海/ リウーを待ちながら:朱戸アオ / アイシテル~海容~:伊藤実 / イチケイのカラス:浅見理都 / ルーヴルの猫:松本大洋 / 戯けてルネサンス:山本中学 / 恋のツキ:新田章 / デスコ:カネコアツシ

月曜日の友達:阿部共実喰う寝るふたり住むふたり:日暮キノコ / リストランテ・パラディーゾ:オノナツメ / つらつらわらじ:オノナツメ /子供はわかってあげない:田島列島  / 空が灰色だから:阿部共実 / ちーちゃんはちょっと足りない:阿部共実蟲師:漆原友紀 / 聾の形:大今良時 /  ニコイチ:金田一蓮十郎  / ごっこ:小路啓之 / やさしい時間:清家雪子 / エマ:森薫 懲役339年:伊勢ともか  / 花とアリス殺人事件:道満晴明 / バビロンまでは何光年?:道満晴明 /メランコリア:道満晴明 /ひみつの階段:紺野キタ /  奈良未佐子短編集:奈良未佐子 / 女王の花:和泉かねよし / どこか遠くの話をしよう:須藤真澄 / 大きい犬:スケラッコ 都会の妖精たち:ICHIDA / ハムスターの研究レポート:大雪師走 / スペクトラルウィザード:模造クリスタル / 一日三食絶対食べたい:久野田ショウ / 心臓:奥田亜紀子 / ぷらせぼくらぶ:奥田亜紀子 / 烏に単は似合わない:阿部智理・松崎夏未 / 

トロイメライ:島田虎之介 / ソウルフラワー・トレイン:ロビン西 / 大阪ハムレット:森下裕美 / 難波鉦異本:もりもと崇 / はなしっぱなし:五十嵐大介 / そらとびタマシイ:五十嵐大介 / 海獣の子供:五十嵐大介 / ディザインズ:五十嵐大介紺野さんと遊ぼう:安田弘之 / 先生がいっぱい:安田弘之  / 刺星:中野シズカ / トモちゃんはすごいブス:森下裕美 / 失踪日記:吾妻ひでお / 大江戸酒道楽:ラズウェル細木 / 預言者ピッピ:地下沢中也 / ガードドッグ:くつぎけんいち,浅倉 / 涼あれよ星屑:山田参助 / どこか遠くの話をしよう:須藤真澄 / しまなみ誰そ彼:鎌谷悠希 / ペリリュー 楽園のゲルニカ武田一義・平塚柾柾緒 / 魚社会:panpanya / 友達として大好き:ゆうち已くみ / 13月のゆうれい:高野雀 / ま ばたき:ばったん / 湯神くんには友達がいない:佐倉準 / ボーイズ・ラン・ザ・ライオット:学慶人 / 月曜から金曜の男子高校生:森つぶみ / お兄ちゃんは今日も少しういてる:梅サト / 

龍の学校は山の上:九井諒子 / バベルの図書館:つばな / 響子と父さん:石黒正数  / ネムルバカ:石黒正数 /  思春期シンドローム:赤星トモ /  12連休:吉田覚  / ヴォイニッチホテル:道満晴明アニメがお仕事!:石田敦子 / 魔法のお時間よ:内海まりお / ラブラブエイリアン:岡村星 / オンノジ:施川ユウキ / LOVE SYNC DREAM:藤原カムイ /  兎が二匹:山うた / うさうさにゃんにゃん:吉本蜂矢 / 独身OLのすべて:まずりん / ヒナまつり:大武政夫 / A子さんの恋人:近藤聡乃 / あげくの果てのカノン:米代恭 / 惑星クローゼット:つばな / アラサーちゃん:峰なゆか / さんさん録:こうの史代 / VRおじさんの初恋:暴力とも子 / バクちゃん:増村十七 / メタモルフォーゼの縁側:鶴谷香央理 / 2DK:竹内左千子 / ペンとハウス~ペンは飼い主が大好き~:家田明歩 / 人馬:墨佳遼 / きみにかわれるまえに:カレー沢薫 / さめない街の喫茶店:はしゃ / 大家さんと僕:矢部太郎

潔く柔く:いくえみ綾 / カズン:いくえみ綾プリンシパル:いくえみ綾 / 私がいてもいなくても:いくえみ綾 /  太陽が見ている(かもしれないから):いくえみ綾あなたのことはそれほど:いくえみ綾 君に届け:椎名軽穂 クールガイ:片岡吉乃 /先生の白い嘘:鳥飼茜  / ご主人様に甘いりんごのお菓子:藤田貴美ふれなばおちん:小田ゆうあ / 町でうわさの天狗の子:岩本ナオ / 金の国・水の国:岩本ナオ / 僕等がいた:小畑友紀 / パティスリーMON:きら / 高台家のひとびと:森本梢子 / 逃げるは恥だが役に立つ:海野なつみ / 天然コケコッコー:くらもちふさこ / 溺れるナイフ:ジョージ朝倉 / 愛すべき娘たち:よしながふみ 雁須磨子:こくごの時間  / がんこちゃん:萩岩睦美 / ラウンダバウト:渡辺ペコ / かたわれの街:勝田文 /東京タラレバ娘:東村アキコ(1~3巻)  / 女の子の食卓:志村志保子 / 海月と私:麻生みこと / おはようおかえり:鳥飼茜 / 町田くんの世界:安藤ゆき /  娘の家出:志村貴子/ まんまるポタジェ:あいざわ遥 / ララバイ・フォー・ガール:松崎夏未 / トナリ: おおさかけい / あした死ぬには、:雁須磨子 / 監督不行届:安野モヨコ / 愛がなくとも喰ってゆけます。:よしながふみ / ZUCCA×ZUCCA:はるな檸檬 / 観用少女プランツ・ドール:河原由美子 / さよならガールフレンド:高野雀 / 彼女と彼氏の明るい未来:谷口奈津子 /  サーカスの娘オルガ:山本ルンルン

薔薇だってかけるよ:売野機子 / 同級生代行:売野機子 / ネコミチ:岩岡ヒサエ / 土星マンション:岩岡ヒサエ /  にんぽぽ123:鈴木志保  / 鉄道少女漫画:中村明日美子/ 乱と灰の世界:入江亜季 / おかえりピアニカ:衿沢世衣子 / シンプルノットローファー:衿沢 世衣子 / 恋泉-花情余話曲:皇なつき /  あとかたの街:おざわゆき / 白い街の夜たち:市川ラク / B.B.Joker:にざかないばら姫のおやつ:石田敦子 / もしくはルーズソックス:藤緒あい / 彼女のカーブ:ウラモトユウコ / アイシテル:伊藤実 / 我らコンタクティ:森田るい / 惑星クローゼット:つばな /ノケモノと花嫁:中村明日美子 / 魔法が使えなくても:紀伊カンナ / 月と博士:坂田靖子 / 機械仕掛けの愛 : 業田良家 / 月と金のシャングリラ:蔵西 / だから私はメイクする:シバタヒカリ・劇団雌猫 / 捨てられた皇妃:INA / 姫と騎士たち:山本白湯 / Bread&Butter:芦原妃名子 / ビューティフルピープル・パーフェクトワールド:坂井恵理 / 岡崎に捧ぐ:山本さほ / とりかえ・ばや:さいとうちほ

スメルズライクグリーンスピリット:永井三郎 / 同級生:中村明日美子 / きのう何食べた?:よしながふみ / となりのロボット:西UKO  / こども・おとな:福島鉄平 / アル中ワンダーランド:まんしゅうきつこ / 湯遊ワンダーランド:まんしゅうきつこ / レズと七人の彼女たち:中村キヨ / バララッシュ:福島聡 / マイ・ブロークン・マリコ:平庫ワカ /  夢中さ、きみに。:和山やま / 制服ぬすまれた:衿沢世衣子

こくう物語:鈴木翁二 / 少女椿:丸尾末広 / 方舟:しりあがり寿 / かわいそうな真弓さん:西村ツチカ / 夜とコンクリート:町田洋 / 夢から覚めたあの子はきっとうまく喋れない:宮崎夏次系 / 成程:平方イコルスン / 水鏡奇譚:近藤ようこ / 青い車よしもとよしとも / さくらの唄:安達哲  / アンラッキーヤングメン:藤原カムイ,大塚英志 / 赤色エレジー:林静一 / ロマンス タムくんのラブストーリー短編集:ウィスット・ポンニミット / ホテルカルフォリニア:すぎむらしんいち / ストレニュアス・ライフ:丸山薫 / よろいこびのうた:ウチヤマユージ / エムさん。:エム。 / 

 

アニメ

日本アニメ(ーター)見本市(ME!ME!ME!、GIRL)コングレス未来学会議 / 花とアリス殺人事件

サマーウォーズ / 時をかける少女/  WOLF'S RAIN /  プラネテス  / 東京ゴッドファーザーズサムライチャンプルー / ピンポン / カウボーイビバップ / 攻殻機動隊シリーズ / マインドゲーム / ベルヴィル・ランデブー / 天元突破グレンラガン / バッカーノ!/LAST EXILE / 東のエデン / ハチミツとクローバー / それでも町は廻っている / Paradise Kiss / 言の葉の庭 / TIGER&BUNNY / 涼宮ハルヒの憂鬱 / BLACK LAGOON / ミチコとハッチン / 四畳半神話大系 / 桜蘭高校ホスト部 / 獣の奏者エリン / Darker than BLACK -黒の契約者 / 御先祖様万々歳 / CATMAN / 銀河鉄道の夜 /

 

[連載中]

魔入りました入間くん:西修 / 空挺ドラゴンズ桑原太矩 / Dr.STONE:稲垣理一郎BOICHI / 葬送のフリーレン:山田鐘人・アベツカサ/ 怪物事変:藍本松 / チ。地球の運動について : 魚豊 / 逃げ上手の若君 :松井優征 / ハイパーインフレーション:住吉九 / ハコヅメ~交番女子の逆襲~:泰三子 / ここは今から倫理です。:雨瀬シオリ / 図書館の大魔術師:泉光 / 血界戦線:内藤泰弘 / 夏目アラタの結婚:乃木坂太郎 / 二月の商社:高瀬志帆 / 大ダーク:林田球 / ボールルームヘようこそ:竹内友 / オオカミライズ:伊藤悠 / スキップとローファー:高松美咲 / 

青野君にふれたいから死にたい:椎名うみ / ワールドトリガー:葦原大介 / ゴールデンカムイ:野田サトル / 銀河英雄伝説:藤崎竜 /よつばと:あずまきよひこ / ヴィンランド・サガ:幸村誠 / 宇宙兄弟:小山宙哉 / 3月のライオン:羽海野チカ /BLUE GIANT:石塚真一 / デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション:浅野いにお /ドリフターズ:平野耕太 / ゴールデンゴールド:堀尾省太 / ザ・ファブル:南勝久/ 血の轍:押見修三 /  乙嫁語り:森薫 / 傾国の仕立て屋ローズ・ベルタン:磯見仁月 / 将国のアルタイル:カトウトノコ / Artiste:さもえど太郎 / 海辺のキュー : 背川昇 / GROUNDLEE:影待蛍太 / フールナイト:安田佳澄 / デーリィズ:めごちも / サラウンド:紺津名子 / 踊るリスポーン:三ヶ嶋犬太郎 / 堕天作戦:山本章一 /

アシガール:森本梢子 /  おひとりさま物語:谷川史子  / ちはやふる:末次由紀健康で文化的な最低限度の生活:樫木ハルコ  娘の家出:志村貴子/ 淡島百景:志村貴子/ 来世ではちゃんとします:いつまちゃん / セクシー田中さん / HIGH SCORE:津山ちなみ / かげきしょうじょ!:斉木久美子 /  おちたらおわり:すえのぶけいこ / ブランチライン:池辺葵 / かしましめし:おかざき真理 / 三拍子の娘:町田ロメロ / 薔薇王の葬列:菅野文 / サターン・リターン:鳥飼茜 / ながたんと青と-いちかの料理帖-:磯谷友紀 / 日に流れて橋に行く:日高ショーコ / マロニエ王国と七人の騎士:久井諒子 / 凪のお暇:コナリミサト / おとなになっても:志村貴子 / 青に、ふれる。:鈴木望 / さよならミニスカート:牧野あおい:

ダンジョン飯:九井諒子カルバニア物語:TONO / 乙嫁語り:森薫 / ハクメイとミコチ:樫木祐人 /  死にたくなるしょうもない日々が死にたくなるくらいしょうもなくて死ぬほど死にたくない日々阿部共実 / 月曜日の友達:阿部共実 / ひとりでしにたい:カレー沢薫・ドネリー美咲 / AV女優ちゃん:峰なゆか / ヴァンピアーズ :アキリ / 死ぬときはまばゆく : 小鳥遊ミズキ / ダブル:野田彩子 / コーポ・ア・コーポ:岩浪れんじ / あなたはブンちゃんの恋:宮崎夏次系 / ガチ恋粘着獣~ネット配信者の彼女になりたくて~:星来 / 戦争は女の顔をしていない:小梅けいと / 春風のエトランゼ:紀伊カンナ / 

 

 

★その他記事で触れた作品★

漫画

亜人ちゃんは語りたい:ペトス(1~2巻)親なるもの 断崖:曽根富美子/ 情熱のアレ:花津ハナヨ /  外面が良いにもほどがある:尾崎衣良 / ぷらせぼくらぶ:奥山亜紀子俺物語!!:アルコ・河原和音1~7巻/ 東京喰種:石田スイ / 東京タラレバ娘:東村アキコ(1~3巻)  /

アニメ

ユリ熊嵐 日本アニメ(ーター)見本市(ENDLESSNIGHT)バケモノの子 攻殻機動隊ARISE新劇場版 / おそ松さん / 機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ / ルパン三世(2015)

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