漫画のメモ帳

早口で漫画について話すブログ

新たに読んだ漫画買った漫画【2015年8月】

よかった順にざっくり並べて。作品名/読んだ巻数/(レーベル)/作者

【完結】

 

【単巻】

  • マジック・ポイント/(FEEL COMICS)/岡崎京子, 大原まり子
  • 秋の日は釣瓶落とし/(アクションコミックス)/岡崎京子
  • ピンク・ラッシュ/(ひらり、コミックス)/TONO
  • 私の嫌いなおともだち/(ひらり、コミックス)/雁 須磨子
  • 深夜のダメ恋図鑑/(フラワーコミックス)/尾崎衣良
  • 宇田川町で待っててよ。/(onBLUE comics)/秀良子
  • この星のぬくもり 自閉症児のみつめる世界 /(ぶんか社コミックス)/曽根 富美子 
  • 外面が良いにも程がある。/(フラワーコミックスα)/尾崎衣良
  • カフェでよくかかっているJーPOPのボサノヴァカバーを歌う女の一生/(SPA!コミックス)/渋谷 直角

 

【続刊アリ】

 

【雑誌、他】

 

【続刊アリ…でもひとまずココまで】

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他作品の記事リストはこちら

コングレス未来学会議/監督:アリ・フォルマン 幻想の後ろで置き去りにされた自分と真実

なんか刺激的なアニメを映画館で観たいなぁと軽く思って行った「コングレス未来学会議」…刺激的すぎ。素晴らし!

私は、今敏やデヴィッドリンチのあの幻想なんだか現実なんだかわからない世界って大好きなのですが、それと同じラインにある映画だと思う。何が幻覚?何が現実?認識=真実、願望=楽園というロジックが支配する果てのぐにゃぐにゃ絶望世界。

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2014年、ハリウッドは、俳優の絶頂期の容姿をスキャンし、そのデジタルデータを自由に使い映画をつくるというビジネスを発明した。すでにキアヌ・リーブスらが契約書にサインしたという。40歳を過ぎたロビン・ライトにも声がかかった。はじめは笑い飛ばした彼女だったが、旬を過ぎて女優の仕事が激減し、シングルマザーとして難病をかかえる息子を養わなければならない現実があった。悩んだすえ、巨額のギャラと引き換えに20年間の契約で自身のデータを売り渡した。スクリーンでは若いままのロビンのデータが、出演を拒んできたSFアクション映画のヒロインを演じ続けた――そして20年後、文明はさらなる進歩を加速させていた。ロビンはある決意を胸に、驚愕のパラダイスと化したハリウッドに再び乗り込む。

コングレス未来学会議公式サイト.STORYより:http://www.thecongress-movie.jp/story/

※完全ネタバレの感想と思い込みの解釈、勝手な考察。とっちらかってるので長いです。長いので先にまとめをもってきます。

 ※1回見ただけなので、以下文中のセリフ等は正確なものではありません(おおよその意味はそんなに間違ってないと思います)。

 

鑑賞後の解釈・感想まとめ

・難解、頭オカシイ系といっていい類の映画。翻弄される。でも、意外と素直に面白い。アニメの縦横無尽な抽象世界へ突入する前に、実写パートでキャラクターをちゃんと説明してくれるので、全く置いてきぼりにはならない。

・息子は、この世界の誰よりも先に、薬が出回る以前から自分力での幻想世界に足を踏み入れていた。

・息子に会うため、最後に彼女が選択した幻想はだめじゃない?彼女はずっとこだわっていた「ロビン自身であること」を手放してしまったし、それは息子が望むロビンとも違う。認識したいもの、願望の選択を誤る人がいる限り、ドラッグをはじめとする強い刺激に支配されて、理想の幻を見ることが、本当に得たかったものに繋がるとは限らない。

・アニメパートのラリってる具合がすごく楽しい。綺麗です。

・ちょっとロビンに厳しすぎやしませんかね。

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余裕の前半実写パート

データスキャンによってキャラクター化された「女優ロビン・ライト」。キャラは会社の所有物となり、与えられた役に文句をつけることなく、監督の指示通りの演技をこなす。そんなの冗談じゃない、私の役は私が「選択」すると大反発するロビン本人…しかし、彼女はこれまでその「選択」を誤ってきたのだ。自分に合わない作品をドタキャンしたかと思えば、焦りからくだらない映画に出演し…そうして誰からも見向きもされなくなった。

この辺りは、先端技術の登場により不要になった役割と、それに反発する女優の悲しき人生…って感じのプチSFドラマ風。内容も難解ではなくすんなりみれる。ロビンの心情に重きが置かれているし、息子娘との日々の生活や親子愛の描写なんかもあいまって、普通にTSUTAYAの「ドラマ」のコーナーに置かれそうな内容。ここは本当に誰でも素直に楽しめる。

ちょっと雰囲気が変わる息子の診察シーン

さて、こうしたドラマな流れの中、ロビンがオファーを受けるきっかけとなった息子アーロンの診察シーンがある。ここであれっと思った部分が二つ。

1つは、アーロンの言葉。彼は飛行機が大好きで、つい先日も小さなグライダーの模型を手に入れて大喜び。そして先生に自慢げに告げるのだ。「今この模型をもとに、5メートルくらいの本物を作っているんだ」当然5メートルの飛行機製作なんて子供じゃ無理だし、そんなシーンも無い。子供の冗談として先生も流すのだが…でもこのアーロン、そんなジョークを言う感じの子じゃないんだよなぁ。彼は一体何を言っているのだろう。

もう一つの違和感は、先生の言葉。検査の結果、アーロンは言葉を正しく聞き取れないことがわかる。例えば「涙(tear)」が「恐れ(fear)」に聞こえてしまうというように、外界からの刺激を自分の中で別のモノとして認識してしまうのだ。これを見た先生は突然興奮気味に語る。「彼は自分の中では「王座」も「孤独」に変わる。彼の中で、彼独自の解釈によって世界が造られている。これは数十年も先の未来の映画技術のようだ」…いきなり、なにかに取り憑かれたかのような先生。今まで悲しき女優のSFドラマだったのに、ここだけカラーが違う。ロビンも「何言ってんの」って感じだったけど、観ているほうもそんな感じ。

女優の人生と息子の難病というヒューマンドラマ風味の流れの中に、「何か違う世界」の存在が徐々に頭を出し始め、なんだか心もとない感じになる。そして、これからが本番。

アニメパートへ…これ絶対作り手にヤク打ってる人混ざってるだろ

 ロビンがオファーを受けてから20年が経った。ロビンはミラマウント社のコングレスに赴くのだけれど…ここからついにアニメパートが始まる。待ってました!!

ロビンは、コングレス会場への道中の検問で不思議な対応をされる。「この先は、アニメ限定区域です。アニメでないと通れません」と言われ、薬を渡されるのだ。そして、その薬をロビンが吸ったのち、画面が実写からアニメに切り替わる…

風景も、ロビン自身も、すべてアニメになる。ハイウェイは虹色に波打ち、平野にはクジラや魚が泳ぐ…やばい、眩暈がするよう。音楽も実写パートと全く違う…おおもう別の映画みたいだよ。アニメパート、エッジ効きすぎ。音楽も不穏でよい。キリストもブッダマグリットのリンゴ男もいるぜ。脳内麻薬世界。見に来た甲斐があった!!

コングレス

ロビンのCGキャラ契約が切れるその前夜、彼女は新たな契約を持ちかけられる。その内容は、「ロビン・ライト」が人々に摂取される「薬」となるというものだ。…はあ?という感じだが、つまりは「薬の力で、一人一人が己の中で、見たい姿のロビン・ライトを認識できるようになる」というもの。わざわざ映画という形でロビンの情報を外から与えなくてもよくなるのだ。娯楽が、映画から薬へと変化する。

 ロビンが検問で与えられた薬はこの種のもの。自分が認識する幻想世界へトリップする薬。「アニメ通行OK」とは、「この薬を受け入れて、幻想世界の住人となったものは通行OK」という意味だった。

「実体のある人間が演じなくてもいい。データでいい。見る側は人間と思うから」というものから更に進んで「データをみせることすらしなくていい。頭の中で理想のエンターテイメントを認識できるから」という世界になったのだ。薬を吸った人間は、マリリンモンローになったり、マイケルジャクソンになったりしてる。誰でも皆、頭の中で理想のスターと自分を重ねることができる世界がやってくる。 この20年目のコングレスは、娯楽が新たな段階へ進歩し、それが世界中に広がることを表明するためのものだった。

ああ観かたを間違えた

薬を飲んだ後はもう何が「実際にあったこと」なのか「ロビンの幻想」なのかわからなくなるのだけれど…。なんとか幻想と現実の切り目を探そうと考えて観てしまったのだが、無理。少なくとも一回目じゃ無理。

劇中、ロビンの泊まるホテルが停電になったとき、こんなやり取りがある…「ロビン:ねぇ、これは本当に停電してるの?それとも私にはそう見えているだけ?」「ホテル:究極的には全てがあなたの認識です」。そう、アニメパートに入ってからは「ロビンの認識」の世界に入っているのだ。何が実際に起きている事象なのかなんて、ほとんどわからない。

それでもこの作品がいいなぁと思うのは、何か感傷的なシーンではこちらもきちんと悲しい気持ちになれること。笑いについても然り。

抽象度や芸術性が高いとされる作品ほどキャラクター個人への感情移入って難しくなるように感じるのだけれど、この映画は前半できちんとキャラのドラマと世界の説明をしてくれていたおかげで、アニメパートでぐっと抽象度が上がっても感情的についていけるのだ。「キャラが何やってもよくわかんないし…」という感じにならない。データとして歳をとらなくなったロビンが、老いた姿で「forever young」という曲をバックに空を舞うシーンなんて、論理的な辻褄合わせはできなくとも何か心にくるものがある。

幻想と現実を横断する最高の見せ場

さて、アニメの世界=自分の中の幻想世界に迷い込んだロビンだけれど、気にかかるは息子アーロンのこと。もはやどれだけ時間が経ったのかはっきりとせず、彼が現実世界にとどまっているかもわからない。けれど、望みをかけてロビンは現実へ戻る…

もうこのシーン、最高。虜になるというか息をのむというか…。現実世界はそれはそれは悲惨な感じ。「自分の見たい幻想を見ることができるのって結構悪くないんじゃない?薬やCGによるイリュージョン万歳」なんて考えを完全に否定してる。

現実世界に戻ったロビンだが、結局アーロンがそこにはいないことを知る。彼は半年前に幻想世界へ旅立っていたという…なんとタイミングの悪い。そうしてロビンは再度薬によって幻想世界へ行く…

火山の音と黒い雲と5メートルのグライダー

アーロンは、ロビンの息子であるということ以上に、この物語においてかなり特別な存在だと思う。彼は視覚と聴覚が衰えるという難病を患っていて、もはや外部からの情報を正しく認識できなくなっている。彼は必然的に自分の中で自分独自の幻想世界を作り出していた。

まず「黒い雲」。彼は、旅客機の離着陸エリアの側で凧揚げをして怒られる。その時の言葉「もう少しだったのに。赤い凧と、白い飛行機と、黒い雲が重なる瞬間が好きなんだ。」…黒い雲って何だ。空は晴、白い薄雲はあったけど、黒い雲なんて無かったが。この答えは公式のキャラ説明にあった。「〜彼は凧を本物の旅客機に衝突させることを夢見ており〜」…彼は空で飛行機が黒煙をあげるのを夢想し、そしてそれをあたかも見た事があるかのように語っている。

あと「火山の音」。アーロン視点のシーンの際、この「火山の音」が何度か流れる。また、病院でこの音が流れた際に、一瞬だが人間の血管のような絵が現れる。手のひらを耳に押し当てるとわかると思うんだけれど、人間の血の流れる音や筋肉の震えって火山の音みたいなんですよね。アーロンは外界の音声を聞き取れないがゆえに、自分の内側の血潮の音をよく聞くようになり、さらにそれを火山と解釈しているんじゃないか。

そして「5メートルのグライダー」。クライマックス、アーロンは飛行機を作っていた。そしてこれ、かつて彼が手に入れた小さなグライダー模型そのまま。彼が、自分の幻想のなかで大好きなグライダーを作っていることは何の不思議もないが、問題なのは、この薬が世に広まるよりはるか以前、前半パートの診察シーンで既に「自分は5メートルの大きさの本物(のグライダー)を作っている」と告げていること…

先生が言ってた通り、物語の初めから、彼は誰よりも早く自分の幻想世界に入っていた。でも一方で、彼は現実世界にきちんと足を下ろしているようにも見える。多分、彼は辛い現実を生きるために必要な糧として幻想を見ていたんじゃないか。現実を見る事が出来なくなる薬とはちょっと違う。幻想と現実の間のギリギリのところでバランスをとり、懸命に現実を生きてきた。(しかし、そんな彼も心折れて薬を飲む…「半年前」、何かあったのかな。もう一度見たらわかるかなぁ。)

ロビンはうまく選択ができない

現実の世界にいながら、幻想に足を踏み入れていたアーロン。ロビンが彼のそばを離れなければ、現実にいたって幻想にいたって一緒にいれたのかもしれなかったのに。(実際、幻想世界においても、コングレス会場のホテルエントランスや、ヘリの上や、冷凍睡眠中の氷の世界で彼と会えているし。)

元ミラマウント社員が「僕をとるのか、息子を取るのか」なんて言ってたけれど、彼女はいつもの選択ミスでどちらも手に入れることができなかった。

そして、現実でも、どんなスターになれる幻想世界でも、頑なに自分であり続けたロビンなのに、とうとう最後に「ロビン」を手放してしまった。アーロンを追いかけるためにアーロンになったけれど、そんなロビンの姿をみた彼の顔。あれ、ハッピーエンドの顔か?(もう一度見ないとわからないけど多分違うと思う。苦笑い的な…)。ロビンはずっと選択ミスをしてた人間として描かれているけれど、これ、最後の選択もミスったんじゃないか。

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コングレス未来学会議.パンフレットより.:アーロンはもうずっと飛行機をつくりながら、「ロビン」を待っていたんじゃないかという気がするよ…

より強い刺激や薬で与えられた、個々人の頭の中の幻想。自分の観たいものを選んでいるつもりだけれど、実は自分自身を放棄していて、残されているのはボロボロの現実。

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昼ご飯の直後に観たのですが、ビールとか頼まなくて本当に良かった。酒飲んで観たら頭おかしくなりそう。小説を読んだ後、しばらく自分の中の思考の言葉がその小説の文体で再生されることがあるのだけれども、この映画は視覚でその現象が起こりそうでヤバい。大変面白かった。もう1回見たいな。

 

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封神演義/藤崎竜(第3部【全23巻完結済】) 太子と戦争前夜

今更語る封神演義第3巻。他の巻はこちら→1巻/2巻

封神演義 3 (ジャンプコミックスDIGITAL)

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雷震子が輝いている

西への旅路、雷震子登場の巻。リアルタイムで読んでいた時は、哪吒、楊戩と並ぶ第3の仲間来た!…と思ったのものでした。仙界大戦でまさかの欠席だったり、表紙になれなかったりと、何かと不遇なヤツ。姫昌の息子なんてめっちゃイイポジションなのに。「仙人が人間界に干渉しすぎるのはよくない」という流れのために、その設定がフルで活かされることもなく。「バカ・火力系」っていう要素が哪吒とかぶっているせいもあって、影が薄くなってしまった。でも好き。

この雷震子戦でも太公望は余裕な感じ。喧嘩に付き合ってあげる様は、おじいちゃんと孫のようですらある…雷震子の必死なバカ真っ直ぐさに、太公望の飄々とした感じが強調される。

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藤崎竜.封神演義.3巻.第18回「太公望・アフロになる」より.:遊んでいる太公望。雷震子、八重歯の褐色キャラなんて目立つビジュアルなはずなのに。

太子…

そして登場する殷の太子2人。彼ら兄弟の存在はもうただ悲しい。「真面目でしっかりした兄と、無邪気な弟」なんてテンプレ性格だし、派手な仙人道士がバンバン登場する中での「人間の子供二人」なんて、そんなに印象深いものでもなかったのに。このありがちな性格設定が後にあんなに効いてくるなんて。

妲己から逃れるため、殷を離れた太子。そのまま太公望について行こうとする2人へ申公豹の説教が始まる。殷王家としての義務と宿命を説いているんだけれど、殷vs周の構図もまだ出来途中なこともあって、初読の時はそこまで重くとらえていなかった。それより、申公豹のラスボス感の方に気を取られていて、太子の存在なんて「超強い申公豹と太公望のピンチ」という形を作るためのアイテムくらいにしか思っていなかった。

しかし2回目以降に読むと、もうそんな軽くは見れない。ここで申公豹に従っても妲己の手にかかり、太公望側の助けに乗って崑崙に行ってもあんな最後になって…もうどうしようもない大きな流れのど真ん中にいた二人。

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藤崎竜.封神演義.3巻.第21回「太子二人Ⅱ」より.:強い兄と弱気な弟。この時の殷洪は、身を挺して守ってくれる兄の後ろで不安そうに小さくなっているだけだったけど…。後のことを考えるとこのシーンだけで悲しくなるよ。

封神計画の再説明と戦争の始まり

封神計画が「ただ悪い仙人道士を倒すだけでない」と気づいた太公望。一旦西への旅は辞め、崑崙に戻って原始から計画の内容を問い質す。計画は、良い王による統治を実現し、人間界を良い方向へ導くためのものとのこと。まぁ結局、この原始の説明も再び嘘なんですが…大事なのは当面のゴールが「太公望が悪い敵を倒す」という単純なものから、「殷を倒し、周を起こす」というものに変わったことが明らかに示された事。そして最後に聞仲の登場…来たぞ…。

今みると、太子登場、申公豹の言葉からの封神計画再説明、聞仲登場という流れで「国対国の話にスケールアップしますよ」ってことがかなり丁寧に説明されている。

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藤崎竜.封神演義.3巻.第24回「未来視たちのディアレクティーク 下」より.:聞仲登場。めっちゃかっこいい。この「紂王の臣下」というところが重要。仙人たちのドンパチだけではもう済まない。

3巻タイトル「未来視たちの弁証法

第23話では、申公豹と太公望の間で二太子の立場についての議論が交わされ、殷郊自身も「自分は生きてやらなくてはいけないことがある」という。24話では、太公望と原始の間で戦争と犠牲についての議論が交わされ、最後に登場した聞仲も戦いについての持論を展開している。

この23話、24話には「未来視たちのディアレクティーク(弁証法)」というタイトルがついているけれど、「未来視たち」とは、これら太公望、申公豹、原始、聞仲、太子のことだろう。激しく時代が動く中で、それぞれの理論や信念がぶつかり合い、それらが行き着く先は誰かの理論を単純に肯定したり否定したりするものではない…少年漫画で随分渋いタイトルをつけたもんだ。

 

今みると面白いところ

・申公豹の語る封神計画:「ですが彼が封神計画の真の意味を知れば…」というセリフの後の原始の説明という、ミスリードを誘う演出。申公豹のは打倒女媧のことを指している。

 ・かわいい方弼

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藤崎竜.封神演義.3巻.第20回「太子二人」より.:なにこの顔かわいい…

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読んでいるときは雷震子や申公豹(と、汚らわしい土行孫)のインパクトが強い3巻。でも読み終わった後に振り返ってみると、心に残るのはやはり太子たち。とてつもなく大きな時代の流れの中で必死に抗う姿は、強くてどこかもの悲しい、まさに封神キャラって感じの子供たちだった。

 

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感想メモ2:電子書籍サイト広告の威力がすごい… 曽根富美子/新なるもの断崖、花津ハナヨ/情熱のアレ、尾崎衣良/外面が良いにも程がある

スマホで色々なサイト見てるとかなりの数の漫画広告を目にしますが、限られたコマと煽り文ですっごく面白そうに見せるものが結構あるんですよね。2回、3回と目にふれると気になって買ってしまう。そして私の他にも同じような人はたくさんいるようで、面白そうな広告が出た漫画って、必ずと言っていいほどアマゾンkindleのランキングの上位に食い込んでくる(ほとんどrentaとかメチャコミとかシーモアの広告なんですが、アマゾンにも貢献しているという…)

そんなわけで、広告につられて買った漫画3つ。

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 曽根富美子/親なるもの 断崖(第1部、第2部【完結】)

著者の作品は、児童虐待家庭内暴力・不和、先天性障害、いじめ、精神疾患…等々、主に現代社会の中の問題を題材に扱った作品が多い。しかしこの「断崖」は、それらいつもの内容とは少し違って、昭和初期の遊郭が舞台となる作品。そして、ここでクローズアップされるのは「貧困」「階層」「性の消費」。遊郭に売られた貧しい農村の少女達。成り上がる者、ボロボロになる者、生き抜く者、死ぬ者…それぞれの過酷な人生を描いた作品。

遊郭モノって、華やかだけれど悲しい女の運命や、お色気シーンなんてものが押し出されたりするものだけれど、この作品ではそういう要素は薄い。貧乏さ、不潔さ、肉体的辛さが際立っていて、埃と小便と血の匂いがするよう。吉原や新町や島原でなく、冷たい北の大地が舞台なのもよりその過酷さを煽っている。悲惨な状況で、見ているのもつらいのに、なぜか読むのを止められない。面白い…という言葉が適当なのかわからないが、過酷な環境を生き抜く人々の行く末に惹きつけられてしまう。

親なるもの 断崖 第1部 (ミッシィコミックス)

 

花津ハナヨ/ 情熱のアレ(1巻~4巻【完結】)

 彼氏とのセックスレスに悩む主人公の姿が前面に押し出された広告だったので、そういうカップルの悲喜こもごもを描いたお話なのかと思いきや、ちょっと違った。セックスレスはあくまでスタート地点だった。ヒロインは、この彼氏との苦い思いをきっかけのひとつとして、もっと人々がセックスを楽しめるようにと、OLをやめてアダルトグッズのバイヤーに転職するのだ…すげぇな!!!まさかのキャリアアップ物語。

しかし、ヒロインがおしゃれ美人なのはともかく、その勤め先のアダルトグッズ卸にもイケメンで高学歴で仕事できる男がいたりして。さらにその人が人格者で、この仕事への熱い思いを語ったりするのだ。うーん、そこまでキラキラな演出しなくてもいいのに。逆に「やましいことじゃないんだよ!」って言い訳しているように感じられる。素敵な恋愛と、主人公の真面目さと、アダルトグッズ卸業という要素が微妙に不和を起こしてる。どれか1つに振り切れればもっと楽しめたかも。

情熱のアレ 1 (クイーンズコミックスDIGITAL)

 

 尾崎衣良/外面が良いにもほどがある(単巻)

 オムニバス4本からなる短編集。タイトルの話は、ゆるふわスイーツな同僚に見下されてしまうような、地味で何かと割を食う女性がヒロイン。しかし、実は彼女はとても美しく強か。そして、パッと見で彼女を見下していたリア充イケメンは図らずも彼女の虜になってしまう…といった内容。

どの話も、上っ面がいいだけのズルい男女を、内面がしっかりしていて実はハイスペックな主人公たちが蹴散らしていく構成。水戸黄門的王道さで結構すがすがしい。「実は見ていてくれる素敵なヒト」が必ずいるあたりが少女漫画的か。中学生の妄想の例として「全校生徒のまえで超絶技巧なバンド演奏でモテモテ」なんてのがあるけれど、あれをOL・会社員の恋愛版に落とし込んでもう少し現実味を加えた感じ。

2ちゃんの家庭板鬼女板まとめとかで、非常識な親戚や伴侶やご近所に一発喰らわせるエピソードが載ってたりするけれど、それに話の流れや雰囲気がとても似ている。頑張っている、正しい常識感覚を持った人が最終的に良い思いをする世界。いいね!

外面が良いにも程がある。 (フラワーコミックスα)

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というわけで、広告につられて買った作品だけれど、大外れな感じのものは今のところありません。今後もバリバリつられそう。

 

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亜人ちゃんは語りたい/ペトス(1~2巻【以下続刊】) 亜人ちゃん100点だけどセンセー25点

亜人ちゃんは語りたい(2)

吸血鬼や雪女といった「妖怪」「怪物」の要素を持った人間が存在する世界。彼らは「亜人(デミ)ちゃん」と呼ばれ社会に受け入れられてはいるものの、その体質が故に人と上手く近づけずに寂しさやコンプレックスを感じている。そして、その亜人に人一倍の関心を持つ高校教師・高橋。彼の勤める高校を舞台に、彼と、女子高生デミちゃんたちとの触れ合いと成長を描いたお話。

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かわいい亜人要素

この作品の魅力はやっぱりデミちゃんたちの可愛さ。悩む様子も、恋する様子も、はしゃぐ様子もすっごくかわいい。亜人の独特の体質や悩みがさらに彼女たちの可愛さを増して見せている。日常の女子高モノに、亜人というアイテムがうまく合わさってる。

また、「亜人」だからいじめられる…みたいな差別的なストレス展開もほとんどないのが良い。主に問題となるは、デミちゃんが自ら亜人としての特性を意識しすぎて、悩み引っ込みがちになっていること。地味な子が「自分こんな華やかな人と付き合ってはいけない」と身を引いてしまう展開なんかがよくあるけれど、構造はそれと同じ。同じなんだけれど、亜人という要素で展開にバラエティがあって面白いのだ。

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ペトス.亜人ちゃんは語りたい.1巻.第3話「小鳥遊姉妹は争えない」より.:亜人ギャグ。この吸血鬼の子は元気いっぱい。表情豊かなちょいバカキャラで超かわいい。

そして、このコンプレックスを取り除くのが高橋センセー。人一倍亜人に興味があるセンセーは、彼女たちに一歩近づいて、優しく心を開いていく。温かい日常物語。

センセー、お前…

しかしこのセンセー、作中では「大人で、分別があって、道徳的」な存在として描かれているんだけれど、行動が微妙。

例えば1巻の「雪女」への対応。彼女は、何がきっかけで自分が冷気をまき散らすのかわからず、傷つけることを恐れて近づく人々を遠ざけてしまう。一部の同級にはそれが「スカしている」と映り悪口を言われてしまう。そして、そんな雪女の苦しみ気づいたセンセーは、彼女をなだめるため思わずハグをする。亜人故の苦悩に、よりかわいそうに思って抱きしめる…おう。

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ペトス.亜人ちゃんは語りたい.1巻.第7話「高橋鉄男は守りたい」より.:悩む姿に、思わずギュッと。普通の生徒より一層守らなきゃとの気持ちからっぽいけど…

1巻全体としてはデミちゃんの可愛さや、設定の面白さ、テンポの良さが遥かに勝っていたのでこのハグも特に気にならなかったのだけれど…2巻。基本のスタンスもテンションも1巻と変わらないのだけれど、またこいつなんかやってるぞ。素面で突然の名前呼び、突然のセックス発言。

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ペトス.亜人ちゃんは語りたい.2巻.第15話「亜人ちゃんは呼ばれたい」/番外編「小鳥遊ひかりはバンパイア」より.:チャラ男か。

高橋は基本ずっとこんな調子で、騒ぐほどじゃないけどジリジリ違和感が増えてく。これって普通なのか。相手が嫌がってないからOKか。(知り合いの教師なんて男女問わずかわいそうなくらいその辺気を遣っているぞ。)「天然タラシ」なんて形容が作中であったので、多分「本人は大人の余裕で何も意識してないけれど、された側はドキドキ」という演出なんだろうけど。相手がまだ子供で、尚且つコンプレックスを抱えているのをいいことに、強い立場から調子乗ってるいけ好かないやつっぽく見えるぞ。なーにやってんだおめぇ。

先生モノにありがちな萎え

教師生徒の恋愛モノや学園モノでたまにあるんだけれど、「真面目な先生」設定のはずなのに生徒との距離感や言動がおかしいと萎える(もともと「フランク、型破り、適当」とかいう設定なら全く気にならないないのだけれど)。いい大人がまともなフリしてチョロい子供にチャラついてるっぽくなる。

この高橋も、地味で真面目で分別がある大人として描かれているのに、言うことやることがチャラ系イケメン男子高生みたいでチグハグ。そして、これらの行動全てが、女子生徒の心を溶かすイカしたもののように描かれ、人格者として賞賛されている。なんだかなぁ。

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ペトス.亜人ちゃんは語りたい.2巻.第10話「サキュバスさんはいい大人」より.:髪が伸ばせないデュラハンに対して「自分とお揃いでいい」と言う。おっさんが女子高生に「自分と同じ髪型でいいじゃん」って、冗談でもかなり自信がないと言えないぞ。風早くんでも言わないだろう。

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何でもかんでも「非現実的!配慮足りない!」なんてPTA的なことを言うのはナンセンスだけど、この高橋はヤダ。生徒同士で絡んでるシーンはひたすらかわいくて青春なのに。もったいない!

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感想メモ:日本アニメータ見本市 ENDLESS NIGHT/攻殻機動隊新劇場版/バケモノの子/娘の家出3巻

読んだ漫画見たアニメすべてについて記事を書くつもりで始めたブログですが、普通に無理でした。見た読んだものの中から、一記事に満たない分量のメモを何点か。

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日本アニメ(ーター)見本市「ENDLESS NIGHT」

これはあたり!音楽1曲に乗せて、一人の男性フィギュアスケーターの成長が描かれる。ストーリーらしいストーリーはありません。音楽と、映像を楽しむ内容。モノトーンと差し色1色のシャープで引き締まった画面。廊下をするする滑る絵は気持ちいい。飛ぶところはちょっと重さが足りない?

普通の1,2クールの連続ストーリーものだけでなくて、もっとこういう音楽と動きと綺麗さだけで魅せる作品が増えてほしい。テレビの視聴率がゴールデンでも一桁なんて聞くと、もはや基本何をしても万人受けは見込めないのだから、こういうアニメ流してみればいいじゃないと思ってしまう。だめ?

ちなみにキャラデザが上条淳士。線の鋭い感じが動画になっても尚生きてる。主人公めっちゃイケメン。イケメン。10代半ばの主人公と20代後半の主人公がペアスケーティングするところは若干BLっぽさがありますが…

animatorexpo.com

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攻殻機動隊新劇場版

攻殻機動隊は私の中では「よくわからなくても、したり顔して楽しむアニメ」なのですが、予想以上に素直に面白かった(もちろんばっちり理解できた気は全くしないのですが)。

古い規格の維持or新規格による進歩の選択…なんてOA機器やAV機器の話みたいだが、それが人体パーツの話になるとまさに生死をかけた争いになるってのは割とピンと来た。そして、こうしたハードの規格の戦いのさらに先に行こうとしたクルツ。彼女と素子の来し方行く末はロマンチックでよい。こうした感傷的なロマンスは好き嫌い分かれそうだけど、私はかなり好き。ラストをコミックス1巻に綺麗につなげたのも0章モノとしてばっちり。SACではなく漫画の前綺譚。

笑いどころは、黒幕っぽくてただの育ちの良いお坊ちゃまだった議員2世と、工務店スマイルのパズと、素子の銃の台座になるボーマ。

 

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バケモノの子

OP・冒頭~バケモノの世界へ行くところまでは映像も雰囲気も良くてわくわくしたんだけれど、そこがピークだった。旅のシーンとか現代のシーンとか、色々入れたかったんだろうけど、思い入れやら何やら持つ前にあれよあれよと終了で消化不良。ヒロインとライバル、心の闇のエピソードも同じく。詰め込み&喋りすぎり。映画館は満席でした。すごい。

ちなみに、サマーウォーズやおおかみこどもですが、どちらも好きです。でもバケモノはあまり好きにならなかった。残念。

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娘の家出3/志村貴子

志村貴子はかわいいくて健全っぽい絵柄でありながら、一線を踏み超える少年少女がさらっと描かれてて、そのギャップから結構なブラックさを感じてしまう。そして安定して面白い。

そしてこの娘の家出も同様。地味で素朴で無害そうな女の子が不倫、かわいいアイドルが足コキ…。普通のピュアな片思いエピソードと並んでさらっと描かれてるから、あれ、世の中こんなもんか?って思っちゃう。いやいや、そんなに乱れてないから。あれでもそんなことないのかな?大したことなくはないけど、まぁ少女の普通の範疇?そんな感じで翻弄されつつ楽しみました。

娘の家出 3 (ヤングジャンプコミックス)

 

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老人Z/監督:北久保弘之/脚本:大友克洋 暴走する介護SF

老人Z HDマスター版 [DVD]

1991年公開の長編アニメ。最初に観たのはNHKBS。内容はほとんど理解していなかったがなぜか記憶に残り、その十数年後の2007年くらいに再視聴&爆笑、Amazonの欲しいものリスト入り。そして2015年、埋もれたリストの底から発掘、ついにDVD買っちゃった。

同じアニメで2度爆笑することは無いだろうと思っていたのだけれど、今回も同じシーンで声を出して笑った。20年以上前の作品なのに、未だに超面白い。

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バブル感が残る日本が舞台。厚生省厚労省ではない)の専らの課題は高齢化社会における老人介護の対応。彼らは民間企業と連携し、足りない人手の対策として、体調管理から食事・着替え・入浴およびシモの世話までを全自動で行う超高性能ロボット「Z-001号機」を開発。そして、このモニターに高沢という一人の老人が選ばれる。

「家族は同意済み」と、有無を言わさず連行される高沢…そして、そんな様子を目の当たりにしていたのが、看護学生のハルコ。彼女は、機械に繋がれた高沢からのSOSを受け取り、彼を解放しようとコンピュータに精通した老人たちに助けを求める。そして、ハルコの呼びかけが通じた時、Z-001号は自我を持ち、あらゆる無機物を取り込みながら暴走を始める…

まったく繊細でない人とロボットの物語

ハルコは「こんな機械に繋がれて、お爺さんかわいそう」という憐れみと正義感から行動を始める。効率化のための機械化と、ホスピタリティや人間らしさの対立やらが作品の要素の一つ。

どこまでも深刻捉えることができる題材だけれども、重さや暗さは全く感じられない。「はるこさ~~~ん、もらしちゃうよ~~~」なんて冒頭の高沢老人の叫びからして、老いに対してウケを狙っている空気を感じる。

お前も機械にしてやろうか

若者側の自分からすれば、このZ-001号機は実際かなり便利そうだなぁと思ってしまう。下の世話も自動で清潔なんてかなり魅力的だし、ネットも可能なんて聞くと娯楽もばっちり、完璧な装置に感じられる。

しかし、機械にがっちり繋がれた側はたまったもんじゃないのだろう。少なくとも、この高沢老人はそうだった。こうした苦痛は静かな音楽とか哀愁漂う表情等の演出がされてもいものだけれど…そんなものは全くなく、終始描かれるのはギャグテイストの「暴走」。「機械化、政策?なにそれ?窮屈なの嫌、海行きたい~」…そして老人は走りだす。

一連の暴走シーンはもう最高

このZ-001には、ヒマな老人の会話相手を作るために、老人の記憶から人物を再現する機能がある。これが暴走の原因。高沢の記憶にいる他界した妻「はるこ」が再現されたうえ人格を持ってしまい、苦しんでいる老人とともに二人の思い出の地へ向けて走り出してしまう。

「かあさーん。めし~~」という高沢に「お爺さん、ちょっと待ってくださいねぇ」なんて品の良い老婆の声で答えながら、機動隊や警官をなぎ倒し商店街を破壊する。

特に好きなのは、モノレールのシーン。Z-001はあらゆる無機物を取り込み巨大になり、果てにはモノレールの線路上を爆走し、乗客を乗せた車両を華麗にかわしながら走り続ける。ここの動きが本当に素晴らしい。何度見たって笑う。

肥大化したZ-001のビジュアルもなかなかゴツイ。動く瓦礫の山だ。ラスト付近で、ハルコがこの山をよじ登るシーンがあるのだけれどその質量がものすごい。それもそのはず、エンドロールをみていたら美術設定が今敏だった。あまりクリエーターには詳しくないのだけれど、それでも見覚えのある名前がちらほら…豪華な制作陣によって描かれる「機械の暴走」。とても楽しい。

 なんかよくわからない明るさ

少子高齢化・労働力不足・資源不足なんてもう生まれてからずっと言われていることで、大げさに悲観こそしないけれども、決して楽観的な未来なんて簡単には想像できない。しかし、そんな題材を扱っていながら、このアニメは明るく適当。帰結も「安直なことすると大変なことがおきちゃうかも」って感じで基本的に何も解決はしないし。

とち狂った勢いと明るさがあれば、もうなんだっていい。そんな酔っ払いのようなハチャメチャさ。

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流石に絵柄は古い感じはあるけれど、だからといって敬遠してはもったいない。ハルコなんて、まわりまわって現代のカワイイにばっちり合致したビジュアル。扱う問題だって未だタイムリー。またテレビで放送すればいいのに。

 

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